昭和61年　76P　部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

序
明は、日本でいえば南北朝時代後半から江戸時代前期までの、300年近く続い た漢民族による中国の王朝である。日本と明国の間には、その末期に文禄・慶 長の役のような不幸な関係があったものの、それ以前には1世紀半ばに及ぶ勘 合貿易と呼ばれる経済と、それにともなうさまざまな角度での文化の密接な交流が続いていた。

日本からは、銀や硫黄や刀剣や蒔絵などが輸出され、明国からは絹織物・岡磁器・書画・銅銭などが輸入された。日本と大陸との交渉が始まって以来の大 がかりな経済交流の時代であったが、こうした商船の出入りに便乗して、日明 の学者・僧侶・芸術家の往来も盛んであり、その結果、明文化の影響をさまざ まな形で受けて、中・近世の日本の美術・工芸・学問・思想は大きな変化を遂げた。

本展は各地に保存されている日明の文化財を展示し、日明間の外交・貿易・ 文化交流の有様を明らかにし、室町・桃山・江戸の日本がどのように明文化の 影響を受けたのかを探ろうとするものである。

明国と中・近世の日本という大きなテーマを取り上げたが、本展開催に至る まで、文化財所蔵各位はもとより、多くの方々からのご教示・ご協力を賜わっ た。ここに謹しんで心からの謝意を表するものである。
昭和61年10月
大阪市立博物館長森口隆次

中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。表紙小傷、やや色あせ。ご理解の上、ご入札ください。もちろん読む分には問題ありません。16781