殺人百科 陰の隣人としての犯罪者たち / 佐木隆三（文春文庫1992年刊）

直木賞受賞の『復讐するは我にあり』以降は犯罪ノンフィクションで人気を博した佐木隆三が様々な事件を紐解いたシリーズの第一弾です。
どれも興味深い内容ですが、特筆すべきは映画やドラマにもなった女性ばかりを狙った連続殺人犯・大久保清の詳細やそれに関連した小平義男の話、105号事件と呼ばれた古谷惣吉の話など充実した内容だと思います。

年代を考えると状態は良い方の部類だと思いますが、中ページは年代なりのヤケがございます。

【内容説明】
「犯罪者は隣人です。この隣人をして、思う存分に語らせる方法はないか。行為としての殺人そのものより、それにいたる経緯や日常を語らせてみたい。」
1970年代の殺人事件の数々を公判調書、新聞報道、関係者に直接取材し、殺人者の”日常”を描いて犯罪小説の金字塔を打ちたてた画期的ドキュメンタリー小説。
解説・日名子暁

【目次】
　第一話　醒めた友情
　第二話　日曜日の残酷
　第三話　虚構の花嫁
　第四話　天使の当惑
　第五話　歳上の人
　第六話　饒舌なる詩人
　第七話　巡礼いそぎ旅
　第八話　神聖なる屍蝋
　第九話　真夜中の実験室
　第十話　夢の島情話
　第十一話　下町恋情怨舞
　第十二話　みゆき荘十号室
　第十三話　褐色の銃弾
　第十四話　何処へ行ったの?