日本では茶玩という名前が一般的になっている紫砂などで作られた小さな置物です。中国語では「茶宠（茶寵）」といい、茶壺同様コレクション価値の高い品物として知られています。茶玩は、中国で縁起物と考えられているものがほとんどです。茶玩にはユーモラスな造形のものも多くあり、お茶の席を囲む人たちとの場を和やかにする効果や、文化的な息づかいをそれとなく伝える効果もあります。



これは高品質の紫砂粘土を使用した桃を抱いた童子の茶寵です。童子の無邪気な形状を巧みに掘り出し、様々な角度から様々なかわいい表情を絶妙に表現しています。童子の表情は繊細に表現され、見た瞬間にその楽しそうな表情が伝わり幸せをもたらしてくれるようです。



中国の五大童子には、富を呼び込む童子（招財童子）、財をもたらす童子（善財童子）、お金を使う童子（散財童子）、お金を集める童子（聚財童子）そして幸運をもたらす童子（運財童子）があります。童子は小さな仙人の総称です。



中国人の心の中で桃は常に、不死、長寿、神を連想させる為「仙桃」「寿桃」「王母桃」などの愛称がついています。今でも桃は縁起物として人々に大切にされています。中国の田舎では、祭りの期間中、桃のお守りが門やドアに貼られます。桃は五行の精であり、「悪霊を鎮圧」し、「百鬼を制圧」することができるため、旧正月初日に桃のスープが飲まれる地域もあります。桃は不死の象徴であるだけでなく、桃の木にも神が宿っています。先秦時代の古書には、桃の木が悪霊を追い払う効果があり、すべての妖鬼や魔物はそれを見ると逃げ出したという記録が残っています。



茶席ではポットを温めたり、茶杯を湿らせたり、お茶を洗うために使用したお湯を茶寵に時々注ぐと、もともと粗い粘土の素材が徐々に滑らかで繊細になっていく為、お茶の愛好家は紫砂の粘土で造形された茶寵を好みます。これを茶寵を「育てていく」と称します。また茶席だけではなく、この桃を抱いた可愛らしい童子の茶寵は机の上に飾っても素敵でしょう。



仕様：最大幅：6cm 高さ: 8cm

材料：紫砂

ハンドメイド

専用箱付。