山井大介は登板前夜から自分でも驚くほど楽観的にゲームをイメージすることができていた。完璧主義者として知られ、時として己への過度な要求が悲観につながってしまう山井が、これほどポジティブな思考に浸れたのは後にも先にもこの時だけだった。
（文庫版新章「それぞれのマウンド」書き出しより）



岩瀬は今も、二〇〇七年日本シリーズ第五戦を「あの試合」と呼ぶ。
<口に出すのも怖いというか、思い出すと今でもぞっとします。だから、「あの試合」としか言えない。抑えてもあれだけ反響が大きかったので、打たれたらどうなっていたんだろう、と。たぶん、僕の選手生命が終わっていたかもしれません>
（「それぞれのマウンド」終幕部分より）


プロローグ　始まりの朝
2004 第１章　川崎憲次郎　スポットライト
2005 第２章　森野将彦　奪うか、奪われるか
2006 第３章　福留孝介　二つの涙
2007 第４章　宇野勝　ロマンか勝利か
2007 第５章　岡本真也　味方なき決断
2008 第６章　中田宗男　時代の逆風
2009 第７章　吉見一起　エースの条件
2010 第８章　和田一浩　逃げ場のない地獄
2011 第９章　小林正人　「２」というカード
2011 第10章　井出峻　グラウンド外の戦い
2011 第11章　トニ・ブランコ　真の渇望
2011 第12章　荒木雅博　内面に生まれたもの
エピローグ　清冽な青
あとがき
文庫版新章　それぞれのマウンド
解説　西川美和


500ページを超えながら、落合政権と呼ばれた中日ドラゴンズをありありと記し、次から次へと読みたくなるノンフィクションものです。

本の状態が良くないですが、それでも構わない方、
すぐにでも読みたい方にオススメです。

裏表紙に「組織における人材登用術、リーダーの覚悟などビジネスパーソンにも影響を与えた」とありますが、野球をあまり知らない人でも何かしら響くところがあると思います。






「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」
鈴木 忠平
定価: ￥ 1180

#落合博満 #森繁和 #山井大介 #川崎憲次郎 #岩瀬仁紀 #信子夫人 #川上憲伸 #井端弘和 #荒木雅博 #森野将彦 #吉見一起 #鈴木忠平 #鈴木_忠平 #本 #日本文学／評論・随筆