日本では茶玩という名前が一般的になっている紫砂などで作られた小さな置物です。中国語では「茶宠（茶寵）」といい、茶壺同様コレクション価値の高い品物として知られています。茶玩は、中国で縁起物と考えられているものがほとんどです。茶玩にはユーモラスな造形のものも多くあり、お茶の席を囲む人たちとの場を和やかにする効果や、文化的な息づかいをそれとなく伝える効果もあります。



この作品は宜興＊（下記ご参照）の高級紫砂粘土で作られており、手作りのこの作品は精工な仕上がりです。童の表情、動作、カエルの表情などが可愛らしく表現されています。この童は見つけたカエルには興味津々ですが、ちょっとだけこわごわと人差し指をだしてカエルの様子をうかがっています。このカエルの目は動きます。カエルの口からは水を噴霧することができとても面白い作品です。



この童を見ていると物語が見えてくるようです。



ある日、中国人の少年が森を歩いていました。 彼は冒険好きで、新しい友達を作りたがっていました。 男の子が池の近くでカエルを見つけました。 そのカエルは緑色で大きな目をしていました。 少年はカエルに近づき、挨拶しました。「こんにちは、タケルです。君は？」と少年はカエルに尋ねました。 カエルは少し驚いた様子でしたが、嬉しそうに答えました。 「桑（クワ）くんです。」 よろしくね！」少年と桑くんはすぐに仲良くなりました。 少年は毎日池に行き、桑とのおしゃべりを楽しみました。 クワくんは少年に森の秘密を教えました。 どの木が一番高いか、どの花が一番美しいか、そしてどの鳥が一番歌うか。 ある日、少年は桑くんに尋ねました。 「桑くん、どうしてカエルなの？」 クワくんは笑顔で答えた。 「カエルは自由なので、どこにでもジャンプして、新しい冒険を見つけることができるんだよ」と少年は「そうなんだ！」とうなづきました。 彼はクワくんと一緒に池の周りを飛び回り、新しい冒険を楽しみました。 そしてクワ君との友情は一生続くこととなりました。



宜興：製陶業が盛んで「陶都」と呼ばれている宜興市は江蘇省南部無錫市内太湖の西岸に位置します。特に「紫砂」が有名であり、そのほか「青磁」、「彩陶」、「精陶」も中国内一の生産量を誇ります。

仕様：縦：約8.5cm、横：約6cm、高さ：約7.2cm