☆袴田事件を裁いた男 / 尾形誠規（朝日文庫 2014年刊 初版）

【内容説明】

無罪を確信しながら死刑判決文を書いた元判事熊本典道氏の転落と再生の46年。

事件当時30歳だった熊本典道は主任裁判官として関わるが「こんな証拠で死刑にするなんて無茶だ」と異を唱えた、たった一人の裁判官だった。

だが多数決で負け、心にもない死刑判決文を書くはめになる。

罪の意識に苦しんだ熊本は、裁判官を辞め、酒で体を壊し、離婚も重ね、自殺も試みる。

冤罪の過程を克明に説明しながら、46年間も苦しみ続けた人間の姿に迫るノンフィクション！



2024年9月静岡地裁は袴田巌氏に再審無罪判決を言い渡し、

10月に検察官が上訴権を放棄したことにより、事件発生から58年が経過して遂に無罪が確定しました。

この本は袴田事件の捜査や裁判の過程を克明に説明しつつ、死刑判決文を書いた熊本典道氏の苦悩に満ちた波乱の人生を描いています。

やや傷や汚れありとしていますが、良い状態の部類だと思います。