①ハイドン：交響曲第88番ト長調「V字」

②ブラームス：交響曲第2番 ニ長調 Op.73



指揮：ハンス・クナッパーツブッシュ

ドレスデン・シュターツカペレ

録音：①1959年11月28日（ライヴ）

　　　②1959年11月27日（聴衆なしのライヴ）

　　　ドレスデン、シュターツテアター［モノラル］

原盤：Tahra



クナッパーツブッシュ超絶の名演を人気音楽評論家：宇野功芳氏が選んだベスト盤。シュターツカペレ・ドレスデンとの共演、ハイドンの「V字」とブラームス:交響曲第2番を収録しています。



音楽評論家：福島章恭氏（ライナー解説文より）

◇ハイドンについて⇒「クナッパーツブッシュのハイドンはすべて買え」とは、「クラシックCDの名盤」（文春新書）の初版で私が書いたフレーズである。（中略）当ドレスデン盤は、歴史あるオーケストラの風格を生かした格調の高さが大きな魅力になっている。一見大きな特徴がないようにみえて、聴けば聴くほどに味わいの出てくる演奏を言えようか。第3楽章トリオの異国情緒、フィナーレのゆとりある遊び心に、クナッパーツブッシュと楽員たちの美しい心の交流が見えるようだ。

◇ブラームスについて⇒まさにいにしえよりドイツ音楽の魂を宿したオーケストラに、これまた時代の流行に目もくれず、ハンス・リヒター以来のドイツ演奏技術の粋を頑固一徹に守りつづけたクナッパーツブッシュが出会ったわけだから、そこにどんな演奏が生まれたのかを想像するだけで、鳥肌がたつ。事実、ここでの演奏は素晴らしい。クナッパーツブッシュの棒から生まれた蒼古で奥深いその響きは、まるでドイツの森を思わせ、その緩やかで荘重なテンポの動きは悠久の大河のようだ。さらには、円熟を迎えたクナッパーツブッシュの客観性の高さにも気付きたい。それは以前のSP録音よりも遥かに高い視座から見下ろした客観性だ。第1楽章の展開部に於ける高貴なまでの魂の高揚とコーダに於ける諦念。第2楽章の憂愁はいっそうの陰りを帯び、第3楽章は精神世界の舞曲と化している。そして、超スローテンポに始まるフィナーレ。仰ぎ見るような巨大さは、あのブルックナーの「第8」の名演を想起させるほどである。



国内盤【廃盤】帯無し、盤面傷無し　



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