日本各地には、我が国固有の六古窯をはじめとして、魅力のある、伝統的な陶磁器の産地が数多くあります。古来、中国、朝鮮の古陶磁を手本に陶芸技術を学び、我が国特有の文化に沿った発展を遂げ、多くの優れた作家が研鑽を重ね、盛衰の波はあったものの、現在の隆盛に至っていますます。

ここでは、古陶磁の魅力を感じながら、手軽に楽しめる身近な食器や、酒器、花器などを紹介してゆきたいと思います。

殆ど全ての作品は、作家による手作りの、一品制作であって、量産品ではありません。したがって、同じ様式の器でも微妙に、寸法や、器形に違いがあります。それが、一品制作の価値であり、手作りの面白さと言えます。

いつの時代でも、’古きよきもの’　を偲び、憧れ、それらを再現する工夫がなされてきました。写し物ではあっても、手元に置いて使って楽しめる器類を、出品したいと思います。どうぞ、一品制作の魅力をお楽しみください。

★★古染付様式の【葉形向付　5客】　を出品致します。

葉形の器は厚作りで、表（上）面は、輪郭だけが染付で縁取られ、葉っぱの葉脈が白磁部分の釉下に力強く線彫（陰刻）されています。
裏面は器形と同じく、葉形の高台がっしりと造られ、その高台周りだけに、線描きの染付でアクセントをつけています。
古染付に倣って、余白部分の装飾を生かした作品で、盛りつけた刺身が映えそうです。

古染付は明代末期に、中国景徳鎮で焼かれ、渡来した、日本人好みの民窯雑器です。そのデザインや絵付けなど、奔放な作風から、大いに茶陶に取り入れられて、珍重され、多くの傑作が残されています。
　

SIZE:　　H.　2.5ｃｍ　　W.　18.1ｃｍ　ｘ　11.0ｃｍ
箱なし