2009年　76P

ご挨拶
本展は、 板谷波山を中心とする、 明治・大正期を中心に活躍した近代陶芸家の 陶磁器を展示し、それらに示された様々な作陶方法、技術、 デザインを通して、陶芸 とは何か、 その時代の特徴とは何かを考察する目的を持っています。
この明治・大正期は、わが国の近代美術の誕生、発展に重要な役割を果たした 時代ですが、 それは、当然ながら陶芸分野にも指摘されます。 近代の陶磁器は、 中 国、日本の伝統的作品に西洋の技法、美術思潮を取り入れ、伝統の革新、 技術の 開発という新展開を示しましたが、 今展の陶芸家たちは、その最前線に立ち、個性 の発揚に大きな役割を果たしました。
陶磁器は、広く考えると土器、炻器、陶器、磁器の四種類をさしますが、狭義に は、釉薬―うわぐすりーを施した施釉陶器と施釉磁器の二種となります。
後者の施釉陶器と施釉磁器は、素地である胎土を捏ねて器物を形づくり、焼成する ことによって原料組成物に高温化学反応を起こさせることにより、素地を焼き締め、 さらに釉薬をガラス化して素地に被膜を施し、立体的な造形物を形成することにある といえます。
本展の展示作品を構成する施釉磁器は、 透光性を有し、硬質で緻密な組織、 非 吸水性、叩くと冴えた金属的な音を発し、 施釉陶器と明快に区別されます。 その特 質をご鑑賞下さい。
本展開催に当たりまして格別の御協力を賜わりました、 茨城県陶芸美術館、財団 法人板谷先生記念館、 板谷波山記念館、 筑西市立下館小学校、 しもだて美術館、 個人御所蔵家に対しまして、 衷心より御礼申し上げます。
平成21年4月18日
泉屋博古館分館
分館長 川口直宜

中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります.。表紙小傷、小汚れ。ご理解の上、ご購入ください。 もちろん読む分には問題ありません。
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