ごあいさつ
日本が誇る工芸技術は、時代とともに技法や表現が多様化し、今日まで著しい発展
化すると、意欲的な作品が次々と発表される中、 それぞれに目的を持った工芸家たち を遂げています。 とりわけ第二次世界大戦後の制作再開を機に、工芸家の活動が活発 が集まり活動を共にするようになりました。 その中の一つ、 1950年に施行された文化
形文化財保持者(人間国宝) を中心に、 工芸技術の保存と活用を促進させるため 「日本 財保護法と、その後の改正がきっかけとなり1955年に発足した日本工芸会は、重要無 「伝統工芸展」を開催します。 そして、伝統の技術に基づく優れた作品によって伝統工 芸の素晴らしさを人々に伝え、それと同時に 「伝統工芸」という言葉や取り組みを広く
知らしめていきました。
らの声掛けにより会員の活動をさらに活性化させる目的で、 1973年に第1回新作陶芸 そして、 日本工芸会の中でも会員数が最も多い陶芸部会は、 重要無形文化財保持者
展 (陶芸部会展) を開催します。 この陶芸部会展は、 出品を正会員に限定し、入選落選
の審査を行わないことで、より挑戦的な作品を発表できる場として、会員の意欲的な
活動を支えながら伝統陶芸の素晴らしさを現在に伝えています。
本展は、その伝統陶芸の歴史をつくってきた日本工芸会陶芸部会の活動が2022年に 50周年を迎えるのを記念して企画しました。 歴代の人間国宝の名品をはじめ、草創期
に勢力を二分した日展や陶芸部会以外でありながら伝統の世界に刺激を与え続けてい ある陶芸家の作品、さらには新進作家らの最新作を取り上げ、 伝統陶芸の歩みと未来へ
とつなぐ陶芸の技と美を137名の139点で紹介します。
最後になりましたが、本展の開催にあたり、 多大なご協力を賜りました出品作家の 皆様、貴重な作品のご出品を賜りました美術館やご所蔵家の皆様に、心より感謝とお
礼を申し上げます。
主催者
表紙小傷程度で特に目立った傷や汚れはありません。