昭和52年　255ページ

はじめに
今年昭和五十年は、煎茶中興の祖といわれる売茶翁高遊外の生誕三百年の記念すべき年にあたります。また、東阿部流にとっても、三世家元の家元継承および翠松会設立三十周年を迎えたことになります。

この記念すべき年にあたって、『煎茶道東阿部流』というこの一本をまとめることのできまし たことは、私にとってまことにうれしいことです。

東阿部流の理念は、「和」をその根本に置いて、「感謝」「奉仕」「反省」「互譲」の精神を養うとこ ろにあります。

一碗のお茶をすすめて、おいしく飲んでいただく。

主客調和して、相楽しむところに、煎茶の醍醐味があります。 「和」をその根本に置いて、煎茶道の修練を説くのも、またそこによっているのです。

今、この本のでき上がるのにあたって、いまさらのように流内幹部の諸先生のご協力、ご鞭撻を思い、その結果でできたということをつくづく感じております。

外箱傷、外箱の背表紙部分小汚れ。小口小黄ばみ。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。