2分冊　2002年　122P　99P　部数は少なそうです。資料用にもいかがでしょうか。

〇パキスタンガンダーラ彫刻展

ごあいさつ

このたび、日本・パキスタン国交樹立50周年記念事業として、「パキスタン・ガンダーラ彫刻展」を開催いたします。

ガンダーラとは、パキスタンの北部にあった古い国の名前です。ガンダーラ美術は、ヘレニズムローマ世 界や西アジア世界などの文化とインド文化の混淆によって成立しました。そして1世紀に興ったクシャーン朝 の時代に大きく花開き、またこの時代にインドのマトゥラーとならんで仏像の制作が始まりました。その仏像 や寺院の装飾モティーフは、西方の影響を色濃く示しており、外来文化の摂取と受容によって成立したガンダ ーラ文化の多様な側面がうかがわれます。また、仏陀の生涯を綴った仏伝美術が発達したのもガンダーラ美術 の大きな特徴のひとつです。

本展では、仏像彫刻の歴史の劈頭を飾る仏菩薩像や仏伝図、また各種の神像など、パキスタン各地の博物館 所蔵の厳選された名品を通して、その見事な造形美をご覧いただきます。

また、東京国立博物館は、1992年にパキスタンの北西辺境州で考古学調査を開始し、1995年からは仏教寺院 遺跡ザールデリーの発掘調査をおこなっています。今回は1999年の調査で出土した作品をはじめて紹介いたします。

最後に、この展覧会の開催にあたり、パキスタン政府をはじめ、貴重な作品をご出品くださいました関係機関、またご支援を賜りました関係各位に、心より御礼申し上げます。

〇インドマトゥラー彫刻展

ごあいさつ

このたび、日本・インド国交樹立50周年記念事業として、「インド・マトゥラー彫刻展」を開催いたします。 古代インドの宗教美術は、仏教やジャイナ教、ヒンドゥー教などのほかに、ヤクシャ、ヤクシーといった民 間信仰の神々などさまざまな作品を生み出しています。わたくしたち日本人にも馴染みの深い仏教美術は、そ の初期においては仏の姿を表現せず、聖樹や足跡などの象徴物によってその姿を暗示していました。しかし、 1世紀頃に北インドのマトゥラーでパキスタンのガンダーラとならんで仏像が作られるようになり、インドの 仏教美術は大きな転換期を迎えました。マトゥラーの初期仏像は、大きく見開いた目、張りのある顔の表情、 がっちりとした体つきなど、民間信仰のヤクシャ像の影響を受けた造形に大きな特徴があります。

本展では、クシャーン朝(1~3世紀)のマトゥラーの作品を中心に、インド美術の黄金期であるグプタ朝(4 ~6世紀)までの代表的な作品を選りすぐり、エネルギーに溢れた造像活動の様子をご紹介いたします。仏像 の起源をふりかえり、さらにインドの多様な神々の姿をたどり、日本を含むアジア世界にも大きな影響を及ぼ したインド古代美術の粋を展示することによって、豊饒なるインド世界の魅力をお伝えします。

最後に、この展覧会の開催にあたり、インド政府をはじめ、貴重な作品をご出品くださいました関係機関、 またご支援を賜りました関係各位に、心より御礼申し上げます。

表紙小傷程度で特に目立った傷や汚れはありません。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。
また複数冊ご購入いただいた場合同梱発送を予定しております。ご理解のほどよろしくお願いいたします。