昭和53年　147P

全日本小品盆栽銘品展より

銘品集/銘席集/銘鉢集

早春の調べを奏でながら梅の花が散り、季は桃の花へと移る日々、美しき日本の四季のはじめに春があり、夏から秋冬へと......恵まれた自然に限りない憧憬を抱きながらも、人は国土開発の名のもとに自然破壊へとその波を拡げながら、今また、その美を取り戻すべく莫大な金を投入して人工の自然を創り戻そうとする。

そうした同じ人間の手が庭の片隅で、またベランダの洗濯物の下で、小さな自然を守り育てながら日々のやすらぎを求めて、樹木、草花との対話の中で樹格とともに自らの向上も計るべく、雨にまた風に、ある時は雪降る中で、掌上の命を守り続けている。

こうした日頃の愛培の作品を一堂に集め、全国より選び抜かれた格調の高い小品盆栽を愛好家の皆様に御覧頂くべく、小社「近代盆栽社」の主催に御賛同を得た人々によって、第一回全日本小品盆栽銘品展の盛況を見るに至りましたことを感謝するとともに、記念すべきこの銘品集が小品盆栽会の発展の礎となり、また座右の書となって、一人、また一人と一握りの砂で小さな命を育くみ、親しんで下さる方が多くなることを期待したいと思います。

願わくば皆様の協力によって五年、十年と、この銘席集が編まれ、充実してゆくことを祈りたいと思います。

一九七八年桃の季に...
株式会社 近代盆栽社


中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。外箱小傷、小汚れ、小破れ。ページ小黄ばみ。小口ややしみ。
もちろん読む分には問題ありません。34271

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。