平成9年 63ページ

平成九年一月一日
ごあいさつ
「松・竹・梅」は、日本人に永く親しまれてきた植物であり、この三者の組み合わせによ る「松竹梅」は、「鶴・亀」と共に「めでたきもの」の第一として重宝され、現代におい ても年の始めの門松や、婚礼や結納をはじめ通過儀礼などの慶事において、また身の回り の調度・装飾品等にこれらの意匠を目にする機会が多くあります。
この「松竹梅」文様の普及には、「松・竹・梅」を「歳寒の三友」として親しんだ中国 的思想が伺え、また瑞祥のしるしである「蓬萊文様」からの発展と捉えることができ、特 に江戸時代の縁起物や組み合わせを好む風潮の中で盛んに用いられたことによります。 そこで本展では、我々の祖先が「松・竹・梅」に寄せた思いに接し、やがて三者を組み 合わせた「松竹梅」が「めでたきもの」として育まれた道程を、文化を物語る数々の文化 財を披露して探ります。
新春を寿ぐ慶事に当り、「松・竹・梅」が辿った「めでたきもの」への道程を鑑賞して いただき、その認識を深めて戴くとともに、併せて大切な文化財の継承の一助とされるこ とを切望致します。
なお、本展覧会のため貴重な文化財を御出陳いただきました御所蔵者、また数々の御高 配を賜りました関係各位に篤く御礼を申し上げます。
熱田神宮
中日新聞本社

表紙小傷程度で特に目立った傷や汚れはありません。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。