平成13年　79ｐ

大典顕常（梅荘顕常）と伊藤若冲との関りに着目し、絵画や書を合計62点収録する展覧会図録。大典顕常が画賛を書いた書画や彼の手による絵画、書跡のほか、若冲による「鹿苑寺大書院障壁画」をはじめとする水墨画、大典顕常に関連する仏画、頂相などを通して、二人を中心とした交流と美の世界を紹介します。

御挨拶
相國寺 住職 有馬賴底
大典禅師梅荘顕常は、一世の学僧として江戸中期に偉才を放つ高徳であられた。禅師没後二百年遠諱 を記念し、また禅師が最も愛された天才画家、伊藤若冲没後二百年をも合せ、禅師と若冲特別展を開催 し、またその図録が出版されることになった。
文は道を貫くの器なり、文字を離れて道を求むべからず、文字を離れて道を伝うべからず、故に文字般 若と曰う、と先哲もいうごとく、禅師は翰墨を以て佛事をなす傍ら、広く一世の文化を鼓吹された。其の 著すところの書、実に七十余部に及び、皆是れ緇林の蔽、翰苑の精華、人道の儀型である。
さらに、伊藤若冲斗米庵奇才の画家は、禅師を最も崇敬し交誼極めて深厚であった。居士は禅師に先だ こと一年、禅師と共に没後二百年を記念して其の遺作を展示することになった。どうかこの図録と展観 を多くの方々に御清覧下さるよう切に懇願するものである。

表紙小傷。もちろん読む分には問題ありません。

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