2008年　103P

ごあいさつ
仏教が朝鮮半島の百済からわが国に伝えられたのは、五三八年のことだとされています。 そして飛鳥の地に、日本仏教文化の幕開けを象徴する本格的な伽藍配置をとる飛鳥寺が 建立されたのは五八八年のことでした。『日本書紀』によりますと、六二四年には四六ヵ所 の寺院が建立され、六九二年になると、全国で五四五ヵ所を数えるようになりました。 この数値は地方への仏教文化の拡がりを如実に物語るもので、各地の豪族たちが彼ら自 らの財力で寺院を建立していったことを示しています。七四一年に聖武天皇の発願で国分寺建立の詔がだされ、全国六六ヵ国に国分僧寺と尼寺が建てられていくことになります。

相模国においても、豪族たちが建てたとみられる寺院跡、国家事業の相模国分僧・ 尼寺跡をみることができ、今日もなお法灯をついでいる寺院もあります。

この特別展「瓦が語る―かながわの古代寺院」では、神奈川県域 (相模国と武蔵国南部) を中心に、七世紀後半から九世紀にかけての古代寺院を対象として、畿内寺院との関連を探り、寺院の営みを周辺遺跡の出土品からみるとともに、「村落内寺院」とも呼ばれる集 落遺跡からの瓦塔・瓦堂の出土品をとおして、庶民層の仏教信仰の一端をもみようとす るものであります。
本展を開催するにあたり、貴重な資料のご出品と写真等の提供をいただきました各機関 および各位、またご協力を賜りました方々に、厚くお礼を申し上げます。
平成二十年二月
神奈川県立歴史博物館
館長 西川杏太郎

中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。表紙小傷。ページ小黄ばみ。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。