2005年　　209P

ごあいさつ
平成十七年
山内一豊(一五四五?一六〇五)は天文十四年(一五四五)、尾張国守護代・織田伊勢守家の家老であったといわれ る父・盛豊と母・法秀院の第四子として生まれました。
父や兄の戦死により若くして放浪の身となった一豊は、いつの頃からか木下藤吉郎(後の豊臣秀吉の家臣となり、 織田信長の浅井・朝倉攻めに従軍し、朝倉の将・三段崎勘右衛門を討ち取る働きを見せました。この武功により初 めて近江四○○石の知行が与えられ出世街道を歩きはじめます。生涯の伴侶である夫人(見性院)と出会ったのもこ の頃だといわれています。

一豊はこの夫人とともに、信長没後に豊臣秀吉の天下統一への道と歩みを同じくし、時代の流れに乗り、地道な がらも着実に出世を重ねていきます。そして、関ヶ原合戦前夜における有名な「小山評定」での掛川城明け渡しの 発言や、「笠の緒の密書」のエピソードで知られる夫人との連携プレーによって、一躍その名を上げたのです。関ヶ 原合戦後に一豊には徳川家康から土佐一国が与えられ、入国した一豊は幕末まで続く土佐藩の礎を築きました。 本展は、平成十八年のNHK大河ドラマ『功名が辻』と連動して開催するもので、山内一豊、また夫とともにゆ れ動く時代を見事にのり切った夫人の人となりを、その時代背景とともに紹介します。
また、秀吉の妻・高台院(おね)や淀君をはじめとした、戦国の女性たちの生き方をゆかりの文物により紹介する とともに、山内家伝来の名宝の中から選りすぐりの品々を展示し、近世大名の華麗で洗練された文化をご覧いただきます。
最後になりましたが、本展に貴重な作品を御出品いただきました御所蔵者の方々、ならびに御協力いただきまし 関係各位に心からお礼申し上げます。
主催者

表紙小傷。あいさつ部分にLINE マーカーで線引きあり。背表紙周り小黄ばみ。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。