イギリス人アーティスト、オリー・ケレット（Oli Kellett）の作品集。作者の初モノグラフである本書は、ロンドンの「ハッケルベリー・ファインアート（HackelBury Fine Art）」で開催された個展に伴い刊行された。

世界各地の交差点を舞台にしたシリーズ“CROSS ROAD BLUES”より33点を選出。
自然光や神秘的な構成を巧みに用いることで、舞台にあがることのなかった場をまるで映画のように写し出しています。
アメリカの画家エドワード・ホッパーに影響を受けたという、ドラマチックな色彩と陰影をたたえたその作風は、人生や時代における分岐点のメタファーとしての交差点（CROSS ROAD）の姿を鮮明に描き出す。
登場人物の胸中に宿るのは、希望か、不安か、ただの信号機の赤いライトか。
現実と虚構の境目が曖昧となった瞬間のフォトグラフィから、その先に展開しうる様々な物語が想起されてゆく。


「 私たちはフェイクニュースや政治的対立、アルゴリズムによるエコーチェンバー現象の時代を生きています。オンラインとオフラインでいくつものアイデンティティを持つことにより、私たちのこの世界の体験はばらばらに分裂しています。しかし、交差点は民主的な場です。誰しもが待たないといけないのだから」と作者は語る。

ナチュラルなアート紙に鮮やかに印刷し、厚手のボール紙を濃いグレーの布で包み込んだスペシャルな製本として仕上げられています。


hardcover
68 pages
279 x 356 mm
color
2023