平成7年　169P　
ごあいさつ

『続日本紀』によると、文武天皇4年(700年)の条に、僧 道昭が火撃にされたとの記載があり,これが我が国で最初の 火葬とされています。

確かに奈良時代の8世紀前半に、畿内の支配者階層では盛 んに火葬墓がつくられます。しかし,これは仏教思想の理解 ではなく、天皇の葬を模したにすぎないと考えられ,平安時代の9世紀には機内での火葬墓の造営は低調になります。

東国では,やはり8世紀に火葬墓がつくられはじめるもの の,機内とは対照的に9世紀以降その数を増していきます。 しかも盛んに火葬墓がつくられる地域や時期,火葬骨を納める骨蔵器も実に多様で複雑な様相をみせております。

本企画展では,このような複雑な様相をみせる古代東国の火葬および火葬墓の実態にせまるとともに,古代の人々の「生」と「死」についての考え方にも触れていこうとするものです。

最後に,本企画展開催にあたり貴重な資料を御出品くださ いました関係機関,御指導御協力くださいました皆様に厚く 御礼申し上げます。

平成7年10月8日
栃木県立博物館長 池嶋和雄

中古品ですので傷・黄ばみ・破れ・折れ等経年の汚れはあります。表紙小傷、小汚れ。ページ小黄ばみ。ご理解の上、ご購入ください。
もちろん読む分には問題ありません。9201