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この度、千葉市美術館では「百花繚乱列島 江戸諸国絵師めぐり」を開催 いたします。
江戸時代中後期、全国津々浦々から、その土地の出身や藩の御用をつとめ 絵師など、いわば「ご当地絵師」とも呼ぶべき個性的な画人が多数輩出しま
地方に生まれた彼らの多くは一旦故郷を離れ、江戸や京都、長崎といった 先進都市で絵を学び、さまざまに活躍します。しかし、地元で培った人脈を 頼りに飛躍を遂げる者、同郷の人々の支援に支えられる者、老いを迎えて帰 郷する者など、故郷との関わりは彼らにとって終生励みであり続けました。 本展では、各地の藩主や御用絵師など、活動の拠点を江戸に置いた人々も 「ご当地絵師」としてご紹介します。文雅を愛した大名達や、御用絵師となっ
地方との関わりを持った画人達は、文化の伝播に大きな役割を果たし、そ の功績は地元で長く顕彰されました。
展示室では、北は松前からはじまり、江戸・名古屋・上方を経て西は長崎 まで、列島各地を旅するような構成で各地一押しの画人達との出会いをお楽 しみ頂きます。全国各地から集結した一八七点の作品によって、博物学の興 隆や明清絵画の流入、人々の交流を通して豊かに広がっていた往時の活況に 思いを馳せる機会となれば幸いです。
本展でご紹介する内容は、作品をご出品頂く各ご所蔵先の美術館・博物 館の長年の研究の蓄積に多くを拠るものです。 また、ご当地絵師達の作品は、 地元のご所蔵家が愛情をこめて蒐集し守り伝え、各館に寄贈された例が少な くありません。大切に受け継がれてきた貴重な作品を、快くご出品ください ましたご所蔵者の皆様、多大なるご協力を頂きました関係諸機関の皆様、そ して、当館の活動を日頃より温かくご支援くださる皆様のご厚情に、心より 御礼を申し上げます。
千葉市美術館館長 河合正朝

表紙小傷、小汚れ。本体微細なそり。もちろん読む分には問題ありません。

なお細部に至るまではチェックしきれない場合がありますので、書き込み・線引き・記名・蔵書印・値札等ある場合があります。ご理解の上、ご購入下さい。