経年によるヤケがあります。古書店の紙を剥がした跡があります。第３巻カバー裏表紙内側の文庫マークが切り取られています。本の状態ができるだけわかるように写真を撮りましたのでご覧いただければと思います。中古本であることをご理解いただきたいと思います。

わが国の文学史が国学的・語学的なものでしかなかった時代に、文学の真髄に迫った本書は、真の意味での歴史的名著といえる。

本書は、従来の文学史が書誌的解説・作家列伝にすぎなかった時代に、歴史ろ風土を背景として平安時代の作家・作品を文明史的に論じた先駆的な文学史である。詩情豊かな名文でつづられた本書は、明治四十三年、わずか四十歳で世を去った藤岡作太郎の一生が昇華された永遠の名著であるといえる。この第一巻では、平安朝全般についての概要が述べられたのち、第一期として弘仁前後の詩人・歌人さらに竹取物語・伊勢物語がとり扱われる。