①モーツァルト:ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 K.452

②ベートーヴェン:ピアノと管楽のための五重奏曲 変ホ長調 Op.16



ジェイムズ・レヴァイン(ピアノ)

アンサンブル・ウィーン=ベルリン

ハンスイェルク・シェレンベルガー(オーボエ)

カール・ライスター(クラリネット)

ギュンター・ヘーグナー(ホルン)

ミラン・トゥルコヴィチ(ファゴット)

録音:1986年8月



ピアニストとしてのレヴァインが、ウィーンとベルリンのオーケストラの首席奏者によって構成されるアンサンブル・ウィーン=ベルリンと共演したアルバム。管楽器の書法に円熟が示されるモーツァルト、同じ編成と調性でモーツァルトとの親近性を見せるベートーヴェンという、２曲のピアノ五重奏曲の名作を収録しています。



ピアノ、オーボエ、クラリネット、ホルン、バスーン(ファゴット)による五重奏曲です。珍しい編成。室内楽と協奏曲の間を行き来する絶妙なバランスを保った形式。モーツァルト自身にとっても自信作であったようで、ピアノと各楽器の対話が美しく、陰影に富み色彩豊かな傑作です。ベートーヴェンはモーツァルトのこの名曲に憧れて、同じ編成で作曲したしたことは広く知られています。その2曲が200年後にCD1枚に収まって、私たちが鑑賞できるようになったのはありがたいことです。このアルバムはザルツブルク音楽祭の合間に名手が集い録音されたものです。指揮者のジェイムズ・レヴァインがピアノを担当、管楽奏者もベルリン・フィルとウィーン・フィルの首席奏者を務める世界的ソリストの4名、超豪華な布陣です。曲良し、演奏良し、録音良し、三拍子揃った名盤です。



モーツァルトが自ら「最高の曲」と呼んだ《ピアノと管楽器のための五重奏曲》は、管楽器の精緻な書法においてピアノ協奏曲にも匹敵する充実度を誇ります。そしてそれと双璧をなすのが、モーツァルトの作品を意識して書いたと言われるベートーヴェンの同名作品です。この2曲はとても美しい。レヴァインのピアノは流麗で達者だし、木管奏者たちも超一流奏者を集めているので悪かろうはずがない。曲は良いし、演奏は良いし、文句のつけ様もない。夢のような時間を過ごせること請け合い。



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