モーツァルト

大ミサ曲 ハ短調 K.427



指揮：ヘルベルト・フォン・カラヤン

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

バーバラ・ヘンドリックス(S)

ジャネット・ペリー(S)、

ペーター・シュライヤー(T)

ベンジャミン・ラクソン(B)

ダヴィッド・ベル(Org)

ウィーン楽友協会合唱団

録音：1981年



カラヤンの指揮ぶりは、宗教曲にありがちな抹香臭さは皆無で、完全に純音楽としてアプローチしています。大編成のオーケストラ、コーラスによる演奏ですが、スケール感はやや抑えめで、威力を誇示するような印象はありません。しかしここというところでは、壮大な響きを作り出しているのはやはり指揮者の貫禄でしょう。オーケストラの練り絹のような美感、一切の濁りのない高級感はまさに薫り高く、聴いていて本当に感動できます。豪華な独唱陣は、ヴィブラートを抑え気味にしてすっきり歌わせており、しつこさはありません。カラヤンが1980年代に入って録音したものの中でも、完成度が高い名演。



モーツァルトが自らの結婚式のために作曲した「大ミサ ハ短調」、なるほどモーツァルトにとっては、宗教曲もオペラも同じ音楽の美の追求なのです。この曲ではソプラノのアリアが天国的な美しさですが、この盤のバーバラ・ヘンドリックスの歌唱は天上から声が降ってくるような感動的なものです。カラヤンの指揮や合唱も少し抑えぎみで初演の感動もこうだったのではないかと思えるような美しさです。テンポは遅めの設定、アゴーギグと強弱のの効いた真に落ち着いた演奏。大ホールでの録音に大合唱団、ベルリン・フィルによる堂々たる名演奏です。



1曲目「キリエ」は、映画「アマデウス」で、サリエリがモーツァルトの才能を思い知らされたシーンで使用された印象深い名曲！演奏は、ベルリン・フィルとウィーン楽友協会合唱団という最高の組合せ。宗教色はかなり薄いものの、ハーモニーの美しさは流石。歌手陣もソプラノのヘンドリックスをはじめすべてが文句のつけようがない。美しい歌いこみはこの曲には真に適しています。遅めのテンポ設定で真に落ち着いた名演。



国内盤、帯無し、盤面傷無し　14

ライナー少しシワあり



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