文久3年8月。
「みぶろ」と呼ばれる壬生浪士組は、近藤勇ら試衛館派と、芹沢鴨の水戸派の対立を深めていた。
土方歳三を慕う島原の芸妓・糸里(いとさと)は、姉のような存在の音羽太夫を芹沢に殺され、浪士たちの内部抗争に巻き込まれてゆく。
「壬生義士伝」に続き、新選組の"闇"=芹沢鴨暗殺事件の謎に迫る心理サスペンス。
　　ー上巻背表紙より。

☆☆☆☆☆

上戸彩さん主演『輪違屋糸里〜女たちの新選組〜』のタイトルで2007年にスペシャルドラマ化されました。

著者の浅田次郎さんは、鉄道員(ぽっぽや)や壬生義士伝、蒼穹の昴などが有名ですが、この作品も人間の心理描写がたくみで、かつ人情味がある最高傑作だと感じています。

幕末、新選組ものの小説は数多くありますが、女性の視点のものはあまり少なく、よく書いてくださったなあ、と読んだ当時感動したのを覚えています。

時代に翻弄される、なすすべのない弱い立場の芸妓たちですが、主人公・糸里には芯の強さがあり、土方歳三でなくても惹かれるものがあります。

巻末に浅田次郎さんと、輪違屋の出版当時のご当主さんとの対談がありますが、こちらも興味深いです。

【状態について】
長期の自宅保管品です。
表紙のスレ傷、白い部分の変色、シミ多数など、かなりダメージがあります。
写真をよくご確認ください。
初版で、古本らしい古本です。

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#tosh808の幕末関連一覧

- タイトル: 輪違屋糸里 わちがいやいとさと
- 著者: 浅田次郎
- 出版社: 文藝春秋
- 巻数: 上巻・下巻
- 価格: 552円(税別)
2007年3月初版(上下巻)

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