**荒井由実（Yumi Arai）**の2枚目のアルバム「MISSLIM（ミスリム）」は、1974年10月5日にリリースされ、彼女の初期キャリアにおける重要な作品です。「ひこうき雲」で鮮烈なデビューを飾った翌年に発表されたこのアルバムは、前作の延長線上にありながらも、さらに成熟した音楽性と豊かな表現力を見せています。

アルバムの特徴

•タイトル「ミスリム」:
タイトルの「MISSLIM」は「Miss」と「Slim」を掛け合わせたもので、当時の荒井由実の華奢な体型を表現するとともに、彼女自身を投影したような繊細さを感じさせるタイトルです。
•音楽性の進化:
前作「ひこうき雲」よりも音楽的に洗練され、ストリングスやホーンを活用したアレンジが際立っています。ジャズやクラシックの要素を取り入れた都会的なサウンドが、彼女の詩的な歌詞と見事に融合しています。
•歌詞の世界観:
恋愛や青春の機微を詩的かつ映像的に描写しており、リスナーがその情景を頭の中で鮮やかに想像できる点が魅力です。
•制作陣:
前作同様、松任谷正隆やティン・パン・アレー（細野晴臣、鈴木茂、林立夫）などのトップミュージシャンが参加しており、彼らのサポートによってサウンドがさらにリッチに仕上がっています。

収録曲と解説

1.やさしさに包まれたなら
•ジブリ映画『魔女の宅急便』のエンディングテーマとしても有名な、荒井由実の代表曲。幸せや安心感を歌った普遍的な名曲です。
2.12月の雨
•切なさと哀愁漂うメロディが印象的な楽曲。季節感が際立ち、冬の寒さの中に潜む感情を美しく表現しています。
3.魔法の鏡
•神秘的な雰囲気を持つ楽曲で、ジャズやボサノヴァの影響を感じさせます。
4.たぶんあなたはむかえに来ない
•恋愛の失望や諦めを描いた歌詞が特徴で、彼女の詩的な感性が光ります。
5.瞳を閉じて
•シンプルで美しいバラード。青春の淡い恋の記憶を呼び起こさせるような名曲です。
6.あなただけのもの
•優しさとぬくもりが感じられるラブソングで、彼女の柔らかな歌声が特に際立っています。

（全10曲収録、どの曲も深みと美しさを持っています）