２０２３年１０月初版第１刷発行。表紙・本文とも大変綺麗な状態で新品です。定価２８６０円（税込み）。



素朴で奇人的という従来のイメージから離れ、民藝運動や仏教の思想を自らの芸術に昇華し、幅広い活動で国際人となっていくアクティブなアーティストとしての人物像に迫る。



以下はアマゾンのカスタマーレビューからの転載です。

棟方志功作品の魅力の全てを満喫できたムックでした。別冊太陽編集部の力量が本書からも伝わってきます。

「幼少時代から状況まで」では、ゴッホに憧れ、油絵に魅せられた若き日の棟方志功の芸術の歩みが説かれています。6pには、油絵の画家を目指す契機になった文芸誌『白樺』に掲載された「ゴオホ『向日葵』(原文ママ)」が載っていました。また150pには棟方志功の有名な言葉「我は、ゴッホになる」に対する本人の文章が掲載されていました。

また、「目指す帝展には四回連続で落選(18p)」したという有名な逸話も紹介してあり、版画家としての棟方志功のスタートがきられました。その時代の事はあまり知られていませんので、本ムックの魅力の一つでしょう。

エポックメイキングな出来ごとと言えば、第３「民藝との出会いと開眼」が大きいのはその特異な作風を追うと理解できます。26pに記載されているように、陶芸家濱田庄司や民芸の柳宗悦との出会いは、開眼を迎えたわけで、その時代の代表作の一つ「大和し美し」は、28pの見開きに全20柵の作品が掲載してありました。有名な作品ですから、別の機会に観賞したことがありますが、流石に大作過ぎて、本ムックでも詳細は観賞できません。

好きな作品群の「二菩薩釈迦十大弟子」は、40pの見開きにしっかりと掲載してあり、彼の作品の迫力と限られたスペースでの様式美を改めて観賞しています。今見ても斬新で面白い表現です。

第４章「戦局の激化、福光への疎開」では、戦争の生活と富山県西砺波郡福光町での疎開の時代に生まれた作品とそこでの歩みが綴られていました。気の毒な事に「東京の家は戦災で焼失。棟方は家財、作品、板木のほとんど全てを失い」という苦難の時代を迎えていました。（中略）

本ムックでは、その後の膨大な作品群から代表的なものを選択して掲載していました。特に「装画本」での優れた作品も沢山掲載してあり、棟方の「装画本」での作風の展開も知ることになるでしょう。



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