フランス文学　辰野隆　たつの・ゆたか　忘れ得ぬ人々　正続２冊揃い　弘文堂書房

　日本のフランス文学研究の創始者と言われる、東大仏文科教授・辰野隆（たつの・ゆたか）のエッセイ集「忘れ得ぬ人々」の正続２冊揃いです。
　内容は正篇が写真3、4、5の目次にあるように三宅雪嶺、露伴、漱石、茂吉、寺田寅彦、長谷川如是閑、谷崎潤一郎などについて、同時代を共にした者として記したエッセイ。
　続篇「仏蘭西文人群」は写真8、9、10の目次にあるように、著者はまず「仏蘭西の現代文学を一瞥し」ユウゴウ、ランボオ、マラルメ、バルザック、フロオベル、アナトオル・フランス、ヴァレリイ、サント・ブウブ・・・と、文学論、作家詩人論が展開されます。
　写真6と11でお示ししたように、正篇は昭和14年、続篇は翌15年の刊行です。二巻本でこのようなパースペクティブで近現代文学を自在に語れる学者がいてくれたお蔭を、85年を経た今、感じています。
　2冊セット売りでバラ売りはしておりません。フランス文学関連の和古書は他にも出品しておりますので、よろしければご覧ください。