「山妣」
坂東真砂子
定価: -2000円

#坂東真砂子 #本 #日本文学／小説・物語

厳冬の雪深い山間の村が舞台。現れた旅芸人に始まり、鉱夫や遊女、叉鬼などが物語のなかで交わっていく。明治時代の富と貧の隔たりに不条理非合理な村社会を生きる人々や、神秘的で奇怪な山岳信仰、そこに情念やエロスが混ざり合い坂東さんならではの妖しげな雰囲気がとことん醸し出されている。凄惨な描写もあるが、時折小作人の素朴な少年少女のやり取りにホッとできる場面もあるし、荘厳な自然描写も丁寧で、最後にタイトルに辿り着いて泣けるという…とにもかくにも圧倒的な読み応え、すごい！