２点は、和紙に摺られた木版画「宝船」です。

「宝船」は、古来縁起物として好まれてきたデザインですが、現在はどうでしょうか。



なお、２点は個別に出品していたものですが、今回２点まとめての出品としました。まとめ出品時点で、お値段を、１８００円×２点＝３６００円⇒２７００円とさせていただいています。



【１点目（写真２～８）】

右下には「麗宗」？の落款、画家でしょうか。

左下には、「昭和十壱丙子年謹製　會心堂小俣蔵版」が。「丙子」の読みは「ひのえね」、「會心堂小俣」は合っているかどうか？「小俣（おばた）」は地名でしょうか？「蔵版」は版木を所蔵していることのようです。

昭和１１年（１９３６年）子（ねずみ）年の製版で経年８０年以上です。汚れや変色などは否めませんが、目立つ傷はほぼありません。台紙・ビニール袋入りです。

サイズは、縦２６．３㌢、横２４．２㌢の、普通色紙サイズ大です。



【２点目（写真９～１８）】

この木版画には、読みずらい文字が、漢字？混じりの仮名で書かれています。仮名は元々漢字から変化したものですから、漢字から類推は出来るのですが判読難は変わりません。

最後の「よきかな」をヒントに、全文を読むことが。これは和歌の一種で、逆から読んでも同じ音になる「回文歌」です。仮名と漢字では以下のようになります。

『なかきよの　とおのねふりの　みなめさめ　なみのりふねの　おとのよきかな』

『長き夜の遠の睡（ねむ）りの皆目醒（めざ）め波乗り船の音の良きかな』

意味は、「長い冬の夜の長い眠りからすべてが目覚め、波に乗る船の進む音が心地よい」。

この歌に関しては、ネットで多く解説されていますので、是非参考にしてみて下さい。



左下には「富士本蔵版（ふじもとぞうはん）」の落款、「蔵版」は版木を所蔵していることのようです。

大正から昭和初期のものでしょうか。汚れや変色などは否めませんが、目立つ傷はほぼありません。台紙・ビニール袋入りです。

サイズは、縦２７．２㌢、横２４．１㌢の、普通色紙サイズです。





レトロ感満点の出品の「宝船」色紙を額装していただき、新年に飾っていただければ嬉しく思います。