日本刺繍　箸尾百亭氏落款入り　名古屋帯です。

明治から昭和にかけての日本刺繍界最大の功労者とされる故箸尾百亭氏は　明治２９年三重県に生まれ。
大正８～１０年の３年に亘り農商務省工芸美術展覧会(当時の文部省)の帝国美術展覧会の入賞常連者で昭和１３年のパリの万国最高美術博覧会で賞受賞。
全国刺繍同業者組合連合会幹事長。１５年にはシカゴ進歩一世紀万国博覧会で受賞するなどその活躍と評価は世界的。

戦後は第一線の作家活動を引退していましたが「日本の刺繍が滅びることは　世界に恥ずかしいことだ」と齢８３才にして第一線に復帰して伝承者の養成に心血を注ぎました。
その真摯な姿はまさに壮者をしのぐ気迫に満ち溢れていたと言います。
６００種もの手法を操り、「濃い色でも清澄でなければ」とひわ色、透明な黄や紫などを多用したその作品群は　若々しく瑞々しい感覚と躍動感に溢れ氏の没後も、見る人の心を捕らえて放しません。箸尾さんの刺繍には独特の色調と糸使い、デザインがあります。
糸に縒りを加えたり　真綿糸や紬糸を使ったり時には糸だけでなく鳥の羽根なども縫い込んだ独自の世界です。

既に工房も途絶え、その技を継ぐ人もいなくなりました。


こちは面白味のある外国風景と異人柄。シンプルなブルーグレーの艶のあるしっとりした地、精緻にして大胆な刺繍の世界をご堪能できるこちらの名古屋帯、大変上質な逸品です！色目は落ち着いたブルーグレーで14.15.16.17枚目あたりが近いです！

嗚呼、着物の世界は奥が深い！美しいものは時を隔てても美しいのです！

この機会に　もう二度と手に入らない箸尾百亭（百亭工房）作品をぜひ　お手元に如何でしょうか？

保管のシワなどございますが目立つシミキズ無さそうです。

帯丈約369cm
帯幅約30.5cm

引っ越してタンスに入らないアレコレを絶賛断捨離しております。この機会にお安くどうぞ！！


着道楽者の叔母のものや母の物、茶道の師範の方から譲り受けたもの、私が買い集めた物などなど多岐にわたります。お好みのお品がございましたらご検討くださいませ！