見える値上げ、見えない値上げ



世界的なインフレと急速な円安の影響は、長年デフレが続いていた日本にも影響をもたらした。美容室における原材料高騰の影響はまだ限定的だが、時流を考えるとサロンの価値を高めて値上げする好機ともいえる。実際に値上げしたサロンは「どの程度、どのように値上げしたのか？」「顧客への告知方法、タイミングは？」。値上げを要因に客離れが起きてしまっては意味がないからこそ考えたい“見える値上げ、見えない値上げ”の導入事例を。



【Introduction】客離れを防ぐ値上げの“ダンドリ”



幅広い分野で値上げの動きが広がっている今こそ、美容室の料金も値上げしやすいタイミング。しかし、値上げを理由に失客してしまっては元も子もない。既存客にも納得感を感じさせるための値上げのポイントやアイデアを紹介。また、注目が集まる美容室のダイナミックプライシングについても実例を交えながら解説する。



【Case2】女性の働き方の変化に備えた“見える値上げ”



三重県員弁郡のa treeはスタッフ24名中22名が女性を占める。産休や育休を取得予定のスタッフが増えていることから全メニューを5％値上げした。お得感を感じさせながら進めたため、客数は値上げ後むしろ上昇している。同店をはじめ、全国各地の値上げに成功した6サロンの事例を詳解。中には一気に3,000円の値上げを敢行したサロンも！



【Mind】指名料88,000円は覚悟の証



“世界一の美容師”として連日メディアやSNSを賑わせているSalon Ryuの京極琉さんはつい最近、55,000円だった指名料を88,000円に値上げした。その値付けの根拠を聞いてみると、次世代美容師として自覚しているミッションや、美容業界に貢献したいという熱い思いが見えてきた。