アンティーク 綴れ翁面模様織出し帛紗です。

演目「翁（おきな）」は新年などの、おめでたいときに披露されます。

新春、能楽堂へ足を運ぶと「翁」を観る場合が多いです。

「翁」が『能にして能にあらず』、と言われる理由は、新年などの限られた時期に上演されることに加え、終始一貫して祈りが主題となっているからです。

舞台にしめ縄が張り巡らされるのも、他には見られない大きな特徴です。

「翁」の演目は、世阿弥（ぜあみ）が室町時代に能を大成する以前から既にありました。

「散楽」の流れを組む「翁」は、祈りの芸能でした。

散楽（さんがく）とは、日本の奈良時代に大陸から移入された、物真似や軽業・曲芸、奇術、幻術、人形まわし、踊りなど、娯楽的要素の濃い芸能の総称。日本の諸芸能のうち、演芸など大衆芸能的なものの起源とされています。

能の原点となった祈りが凝縮されている翁は、当時の人々にとって鑑賞する芸能ではなく無事に日々を過ごすための祈祷だったのです。



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