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表紙ややスレあり

本文切り抜き書き込み等なく良好



「終わりなき旅 「中国残留孤児」の歴史と現在」

井出 孫六 / 坂本 龍彦

定価: ￥ 1430



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戦時下，帝国国民が日の丸を振って大陸に送り出した27万の満蒙開拓団は，数多くの「中国残留孤児」を生んだ．著者の故郷長野県の開拓団に視点を据えて，貧農排出と国防の国策がつくりだした現在に続く悲劇を追求し，庶民にとって国家とはなにか，戦争とはなにかを考える．大佛次郎賞受賞の長編ルポルタージュ．





■内容紹介

　――1972年の秋，戦後27年をへてようやく日中国交正常化が実現したが，両国間に平和友好条約が締結されるのには，なお５年の歳月を要した．そのころ，条約の締結を待ちかねたかのように，中国に残留を余儀なくされていた数人の婦人たちが，信州の山村に一時帰国したという小さな記事がわたしの注意をひいた――

　そのことを作家の水上勉さんと話したのを切っ掛けに，井出氏は故郷の「残留孤児」問題に首をつっこむこととなった．

　戦時下，帝国国民が日の丸を振って大陸に送り出した27万の満蒙開拓団は，数多くの「中国残留孤児」を生んだ．長野県からも３万3000人あまりが大陸へ送られていった．本書は，長野県の「開拓団」に視点を据え，貧農排出と国防の国策がつくりだした現在に続く悲劇を追求し，庶民にとって，国家とは何か，戦争とは何かを考える長編ルポルタージュである．

　来年が敗戦60年にあたるが，次第に関係者も少なくなりつつある現在，ぜひ次代に残しておいてほしいという要望が強く，現代文庫に収録する．収録にあたって，現代文庫へのあとがき，20枚を書き下ろした．