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●タイトル 「WORK'78-A」
●シルクスクリーン　3版3色
●用紙　レオバルキー140
●サイズ　150x160mm
●制作　1978年4月
●サイン入り
●エディション・ナンバー1323/8575
◎浜田の創作活動は1960年代に版画から始まった。黒い面に赤く浮かぶ線。自身の心象風景をミニマルに落とし込んだ版画作品は数々の賞を受賞した。しかし、浜田は作品の工程が自身の手で完結しないという事に違和感を覚え、80年代に鉛筆と紙を手にし、最もシンプルな素材を使い線表現への挑戦を始めた。ここから、多種多様な手法を用いた表現が創出されていく。何層にも塗り込んだ絵具を「引掻く、削る。木材を積み重ねる」といった身体行為の反復と時間の集積によって精緻且つ精神性の高い作品を生み出している。浜田作品は常にその手法が刷新され、新たな表現へと変化していく。しかし、水が形を変えながらも本質を変えないように、大きな流れの中で浜田の姿勢や思想は一貫している。自身の身体行為と時間が集積していくその過程がどの作品にも表出し、鑑賞者は途方もない時間と浜田の行為の反復に驚嘆しながら、ほのかな揺らぎの中にある温かみを感じる。
◎オリジナルにことば－浜田浄
シルク版画によるミニチュア制作は初めての試みである。本作品は従来の一連の作品をオリジナル版として制作したものである。ミニチュア作品といえども、単に縮小版にとどまらず、これ自体それなりの効果が表れているように思われる。シンプルな画面空間の拡がりや緊張感がそこなわれないように、黒のグラウンドをメデュームで分割して、今までの手法をそのまま取り入れて制作してみた。
≪略歴≫
1938年 高知県生まれ。
1961年 多摩美術大学油画科卒業
1977年 マイアミ国際版画ビエンナーレ買上賞、現代版画コンクール展佳作賞
1978年 クラコフ国際版画ビエンナーレクラコフ国立美術館賞
1979年 日本現代美術展ブリジストン美術館賞
1981年 西武美術館版画大賞展優秀賞、日本現代美術展東京国立近代美術館賞
その他個展多数

少しヤケ、裏面にテープ跡があります。