初期から晩年まで、マティスの画業をたどる決定版のカタログ

20世紀アートを代表するフランスの巨匠、アンリ・マティス。純粋な色彩による絵画様式であるフォーヴィスム（野獣派）を生みだし、モダン・アートの誕生に決定的な役割を果たした彼の作品は、今なお色あせることなく私たちを魅了し、後世の芸術家たちに大きな影響を与え続けています。国内では約20年ぶりのマティスの個展となる本展は、世界最大規模のマティス・コレクションを所蔵するポンピドゥー・センターの全面的な協力を得て開催します。絵画に加えて、彫刻、ドローイング、版画、切り紙絵、晩年の最大の傑作であり、マティス自身がその生涯の創作の集大成とみなした南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂に関する資料まで、各時代の代表的な作品によって多角的にその仕事を紹介しながら、豊かな光と色に満ちた巨匠の造形的な冒険を辿ります。

　公式図録では、展覧会出品作の油彩35点、デッサン30点、彫刻17点など、合計100点以上を紹介。表紙には「金魚鉢のある室内」「座るバラ色の裸婦」「黄色と青の室内」の3作品をあしらい、それぞれにふさわしいカラーを組み合わせたこだわりの装丁です。カラーページは、作品解説や南仏ヴァンスのロザリオ礼拝堂の写真も掲載し、初期から晩年の傑作までマティスの画業を丁寧にたどります。
また、国際色豊かなエッセイ執筆陣にも注目。展覧会構成を担当したポンピドゥー・センターのオレリー・ヴェルディエ学芸員や本展学術協力を務めた近藤学氏のほか、アラステア・ライト氏（オックスフォード大学セント・ジョンズ・カレッジ准教授）のエッセイを掲載。また東京都美術館の藪前知子担当学芸員と、造形作家・美術批評家である岡﨑乾二郎氏が描き下ろしたエッセイも収録した大充実の内容です。マティス作品の魅力を詰め込んだ、いつまでも手元に置いておきたくなる一冊です。

自宅保管のため、気になる方はご遠慮ください。

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