バッハ

①ゴールドベルク変奏曲 BWW988

②平均律クラヴィーア曲集第2巻より

プレリュードとフーガ 第14番 BWW883

第7番 BWW876

第22番 BWW891

第9番 BWW878



グレン・グールド(ピアノ)

録音:1954年6月21日①、1954年2月&10月②

モノラル録音



グールドの"原点"



《ゴールドベルク変奏曲》は、1954年6月21日、レコード・デビューの1年前にカナダ放送協会(CBC)で録音された音源です。基本的なコンセプトは、1955年録音のデビュー盤とさほど変わりませんが、情緒的な傾向が少し強調された演奏です。アリアは少し遅いかなと感じますし、各変奏でも粘りの効いた歌い回しなどロマンティックな雰囲気があります。速いパッセージでは若いグールドの躍動感もあります。鳥瞰的な視点で全曲の構造を明らかにしたデビュー盤に比べると、全体の完成度は今ひとつかもしれませんが、グールドの音楽への没入ぶりが素晴らしく、表現の純度が高いと思います。また1981年の新録音が表現に陰陽の違いはあるものの、テンポなどはこの録音当時の50年代のスタイルに回帰しているのではと感じるところもあります。不思議なことにグールドのハミングはほとんど聴こえません。古い録音ですが、条件の整った放送録音ですので、年代の割には聴きやすい音質です。グールド・ファンはやはり必聴のディスクです。



1955年のデビュー録音の1年前なので、その演奏に近いのかなと思いましたが、冒頭のアリアは、むしろ1981年のデジタル再録音にも近いと感じられます。余白に収められた平均律のプレリュードとフーガ4曲もステレオ録音と雰囲気が異なり、こちらも必聴の名演です。モノラルですが音質良好です。



輸入盤【廃盤／希少盤】盤面傷無し　30



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