池谷裕二著『脳には妙なクセがある』は、私たちの脳がどれほど複雑で不思議な働きをしているかを解き明かす一冊です。著者は脳科学者としての視点から、日常生活で私たちが感じる「思い込み」や「クセ」について、科学的な根拠を基にその謎を解説しています。本書では、脳の不思議な働きがどのようにして私たちの思考や行動に影響を与えているのかを探求し、時にはユーモアを交えながら、脳の奥深い世界を分かりやすく伝えています。

本書の最大の魅力は、脳が持つ「妙なクセ」に焦点を当て、普段は意識しない脳の誤作動や偏りがどのように私たちの判断や行動に影響を与えるのかを明らかにしている点です。例えば、過去の経験が無意識に現在の選択に影響を与える「バイアス」や、直感的に間違った判断をしてしまう理由など、日常的に起こりうる脳のクセを実例を交えて解説しています。

また、脳のクセを理解することで、どのように自分の思考や行動を改善していくか、脳を上手に使うためのヒントも豊富に紹介されています。自分の脳の特性を理解することは、自己改善や問題解決に役立つだけでなく、より効果的に思考を進めるための大きな一歩となります。

『脳には妙なクセがある』は、脳の働きに興味がある人、自己改善を目指している人、または日常生活の中で自分の思考のクセに悩んでいる人にとって、非常に魅力的で有益な一冊です。