ベートーヴェン

①《エグモント》序曲 作品84

②交響曲 第９番 ニ短調 作品125《合唱》



指揮：フェレンツ・フリッチャイ

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

イルムガルト・ゼーフリート（ソプラノ)

モーリン・フォレスター（アルト)

エルンスト・ヘフリガー（テノール)

ディートリヒ・フィッシャー＝ディースカウ(バリトン)

聖ヘトヴィヒ大聖堂聖歌隊

録音：1957年、1958年 ベルリン



フルトヴェングラーの「バイロイトの第九」は、もちろん「史上空前の不滅の名盤」ですが、如何せんモノラル録音。ステレオで同じ感動の味わえる名盤となれば、このフリッチャイ盤がまず頭に浮かびます。流れは自然で堅実、しかし表情は豊かでフリッチャイの情熱のほとばしりがビシビシ伝わってきます。フルトヴェングラーが亡くなって3～4年後の録音であり、ベルリン・フィルのメンバーには、フルトヴェングラーの棒の下で演奏した団員も多い。ところどころベルリン・フィルのメンバーが、今はあまり聴かれないほど1つのパッセージに思い入れて歌い込む部分もあり、聴き応えがあります。録音状態もよく、非常に充実した響きが味わえます。



この「第九」はフリッチャイ&ベルリン・フィルによる初のステレオ録音となったばかりでなく、フィッシャー=ディースカウ唯一の第九のセッション録音としても名高い演奏です。ちょうどこの1957-58年という時期は、フリッチャイに白血病の症状が出る直前にあたり(58年秋から暫く療養)、復帰後(58年秋)からの指揮内容との差に関しも良く取り沙汰されますが、この「第九」の演奏においては、病気の兆候を感じさせる要素は見当たりません(エグモント序曲は復帰直後の収録)。適切なテンポ設定と完璧なまでにベルリン・フィルを掌握したその指揮は、録音当時43歳とは思えないほどの仕上がりであり、現在でもこの盤をフルトヴェングラーと並ぶベルリン・フィルの「第九」の名盤として支持する方は数多いと思います。とりわけ求心力に満ちた第一楽章、深淵なまでの第三楽章は絶品です。



輸入盤、盤面傷無し 9

プラケースのわずかなすれ以外は新品に近い美品です



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