Caspar David Friedrich: Line and Transparency

著者：Jacqueline and Maurice Guillaud

出版社：Clarkson N. Potter, Inc. / Guillaud Editions Paris-New York



この小さな美術書は、ドイツ・ロマン主義の巨匠 カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ（Caspar David Friedrich） の世界に誘う、まるで時間の狭間に隠された扉のような存在だ。

フリードリヒの作品は、ただの風景画ではない。そこには「目に見えない何か」が潜んでいる。それは、霧に包まれた都市、沈む太陽に染まる大地、どこへ続くかもわからない道…。その情景の中に立つ人物は、まるで我々を見つめ返し、何かを問いかけてくる。



本書は、彼の代表作 「雲海の上の旅人」 をはじめ、黄昏の街、海辺の船、枯れ果てた森など、フリードリヒが描いた神秘的な風景を厳選し、詩的な言葉と共に収録した特別な一冊。読み進めるうちに、あなたはまるで異世界の門をくぐったかのような錯覚に陥るかもしれない。



時を超えたメッセージ

フリードリヒの絵画には、幾世代にもわたって「隠された意味」が囁かれてきた。

彼の作品に描かれる人影は、過去の魂が彷徨う姿とも、未来を見つめる予言者とも言われる。そして、その背景に広がる風景には「見えざる道」が存在し、そこを歩む者は異なる時空へと導かれるという。



19世紀、フリードリヒの作品は「時代を超えた絵画」として受け入れられたが、彼の死後、長く忘れ去られた。しかし20世紀になり再評価されたとき、驚くべき事実が浮かび上がった。

・黄昏の街は、産業革命後の都市の姿と酷似している。

・霧に沈む港は、気候変動により消えた町と重なる。

・朽ちた木々と廃墟は、戦禍により荒廃した風景を思わせる。



【本書の魅力】—— 時代が経っても色褪せない理由

この本は、美術書でありながら まるで詩集のように 仕上げられている。

シンプルな言葉とともに並べられたフリードリヒの作品たちは、まるで「読む絵画」のように、ページをめくるたびに新たな発見をもたらす。



●梱包については、防水も兼ねてプチプチを使用します。

※傷や汚れの具合いなどの判断には個人差がありますので写真でよく確認してください