イニシエーションとしての宗教学
1993年1月30日発行
発行所／株式会社 筑摩書房
著者 島田裕日しまだひろみ
1953年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授を経て、現在、日本女子大学文学部助教授。専攻は宗教学および日本文化論。
著書に「戒名」「神サマのつごう」（法蔵館）「いま宗教に何が起こっているのか」「仏教は何をしてくれるのか』（講談社）「言じやすい心」（PHP研究所）「異文化とコミュニケーション」（編著、日本評論社）「いまどきの神サマ」（共著、JICC出版局）などがある。

【内容抜粋】
第一章 宗教学へのイニシエーション
通路のような大学
日本女子大の目白キャンパスは、実に狭い。正門を入ってから校内を横切って裏門に抜けるまで、早足で行けば、ものの一分とはかからない。おまけに、このキャンパスにはグラウンドすらないのである。
体育の授業は体育館やプールを使って行われる。
そのため、私はこの大学に赴任してきた当座、まるで通路のような大学だという印象を受けた。　【中略】

あとがき
自分の人生を振り返ったとき、いくつかの節目が存在することに気づく。私自身の場合、これまでその節目は九年ごとにやってきた。
最初の節目は、二歳半のときだった。病院で生まれた妹が母親とともに家に帰ってきたときの光景が、私にとって初めての記憶となっている。車を降りた母は、妹をしっかりと腕に抱いていた。幼い私は、その光景に大きなショックを受けたのであろう。母親と一体ではないと知ることによって、自分という存在を意識し、それが最初の記憶となったのだ。
第二の節目はそれから九年後、小学校を卒業して中学に入学したときに訪れる。私の小学校の時代は、決して明るいものとはいえなかった。いじめなどのはっきりとした原因があったわけではないが、規則を押しつけ、利己的な行動をとることをひたすら戒めるような学校のあり方に息苦しさを感じていた。　　【中略】

古物商許可証
第 621272201772号 交付平成22年10月18日 大阪府公安委員会

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