77年に発売された7バンドモデル、バンドの構成はFM,MW,短波5バンドと言う物で、このサイズでは世界的にも画期的なコンパクトさ、高性能モデルであった筈です。
日本からの海外進出が盛んになり出した頃でしたから、商社、メーカーの駐在員、或いは海外からの訪日旅行者向けで高感度、機能、音を持ち、尚且つ携帯するのに程良い大きさのこのモデルは結構売れた様子です。
初めからFMの周波数帯も78〜108MHzと日本国内でも海外でも使える仕様になって居ます。
当然海外での評価も非常に高かった様子なのは、このモデルの後7600番を付けた派生モデルが多く出された事からも分かります。
この個体は入手時点ではジャンク。
即ち、電源が入らず、バンドが切り替わらない、トーンが効かない、全体に汚れ、傷も多いというもの。それでもオークションでは人気機種なので、落札は決して安くはない。
直らなかったらどうするかを迷いながらの落札でした。
届いて一番気になったのがスピーカーグリル周辺の汚れで、通常の洗剤では全く取れず、最終的には磨き粉と歯ブラシで取りました。汚れの素性は不明ですが、幸いスピーカーグリルへの腐食は起きておらず、クリーニング後は非常に綺麗になりました。
もう一つの問題が、このモデルで多いバンド切替スイッチカバーの欠品で、これは結構頻繁に目につきます。
例によってプラ板で自作、厚めにマットブラックを吹いています。自画自賛乍ら遠目では差が無いか？というレベル迄は来ましたが勿論完璧ではありません。
直してこうやって写真に撮ると苦労した分、愛着が湧く様です。
とは言え美品では無いので、価格はこの状態では安めでしょう。
基板を外し整備する際にスピーカーがグリルに密着していて、一部エッジに破損が起きました。
このモデルの前期型に良くある問題で、後期型では改善されています。
外し方が分かったので破損程度はそれ程では無く、ボンドで補修しています。
音が直ぐに割れる様な事はありませんからご安心を。
アルカリ電池付きです。