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２０１２年４月に角川書店から初版発行された、俳人長谷川浩子さんの句集「白魚」です。



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「白魚」は私のはじめての句集です。１９９２年から２０１２年までの２０年間の句を収めました。私は昨年癌告知を受けました。「円座」武藤紀子主宰に手術する旨話しました。主宰より、術後の闘いの日々の心の糧として、句集を作ることをお勧め頂き、編む決心をいたしました。そして、私の師である長谷川櫂先生に句を賜りました。

白魚の句を思ひ出にするなかれ

病と闘う前の私にとりまして大きな心の支えとなりました。

～あとがきより抜粋～



【自選十句】

いま落ちし椿もあらん百椿図

人去りて橋のこりたる朧かな

夏が来て仔牛は鼻輪もらひけり

母のこと立浪草にかがむとき

見上ぐれば見下ろしてをり夏鴉

流燈のこの世の手並送りけり

むつかしきお方でありし糸瓜かな

山に雪おもひおもひに鴨ねむる

いちまいに跳ねたり寒の大鮃

指そろへ三つの女札者かな



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