「天皇ごっこ」
見沢知廉　第三書館
定価: ￥ 1700 + 消費税

購入後、一読してパラフィン紙をかけて書棚で保管していました。状態はいいと思います。素人による保管品ですので、見落とし等はご容赦ください。ハードカバー版。今となっては珍しい本だと思います。

一水会の見沢知廉の小説デビュー作。今は左翼活動家として知られる雨宮処凛の小説の師匠です。
日常的に天皇制を憎み、天皇陛下個人さえ貶めようとする左翼は、普段から天皇を意識し続けている熱烈な天皇制支持者なのだ、という主張の作品。新日本文学賞当時、左翼側から、なぜ自分たちがこの問題意識を語ることができなかったのかと嘆いたという逸話が残っています。
昭和末期の刑務所、右翼・左翼の活動家、暴力団、一般人出身の囚人たちが、恩赦欲しさのために一致団結して昭和天皇崩御を願い盛り上がり、看守が呆れるという作品が生々しくて印象深かったです。
見沢作品では囚人狂時代の方が面白いですが、真面目そうな日本人の案外ちゃらんぽらんな天皇観を突き付ける、重いテーマ性を有している唯一無二の作品です。


他にも本を出品しています。
#kraus111の本棚

出版社内容情報
元新左翼・現新右翼の著者がスパイリンチ殺人事件で懲役12年の下獄中に書き下ろした本書は、第25回「新日本文学賞」を受賞するも、雑誌掲載、単行本化がことごとく座礁した問題作。獄中者、右翼、左翼それぞれの天皇観のマンダラをもとにした本書は平成の浪漫主義と各誌絶賛。

内容説明
著者が第２５回「新日本文学賞」を獄中で受賞後、雑誌掲載、上演企画、単行本化がことごとく座礁した問題作。７０枚を４５０枚に加筆。新右翼が書いた天皇マンダラ小説。

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