２冊とも女性の人生を描いたドラマチックな小説です。
日本人と外国人の女流作家。


ピエタは、小泉今日子さんが感銘を受け、長年温めて企画・舞台化し、７月に上演されます。

『エンジェル』は、フランソワ・オゾン監督により映画化。
映画では、美少女ロモーラ・ガライが主演。　
10代～30代半ばという、少女から大人への微妙な変化を見事に演じています。

また、ナチス親衛隊将校とユダヤ人の美少女との倒錯した愛を描いた『愛の嵐』で、旋風を巻き起こしたシャーロット・ランプリングも出演。　
聖女のように清らかな美貌にエキゾチックなムード。
野性的な目つき、官能的な肢体を持っていたシャーロットは『エンジェル』の公開当時は61歳。


『エンジェル』
◆エリザベス・テイラー /著
◆小谷野 敦 /訳
◆白水社
◆2007年11月30日 発行
◆定価 2,640円

◆内容　
小さな田舎町で質素に暮らす少女エンジェル。
華やかな上流社会へ強い憧れを持ち、あふれんばかりの思いを書き綴る。

やがて、自らの文才で道を切り開き、夢を現実のものにしたエンジェルは、す小説家として人気を博す。　

名声と豪邸での贅沢な暮らし。
名家に生まれた画家との結婚──。　　　　

虚構の世界にはまり込み、自分で自分をよりドラマティックな境遇へと急き立てるように生きるエンジェル───。
　　
二つの大戦を生きた女流作家の、栄光と転落。


『ピエタ』
◆大島真寿美 /著
◆ポプラ社
◆2014年2月5日 発行
◆定価 748円
◆内容
18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。　
『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で〈合奏・合唱の娘たち〉を指導していた。

ある日、教え子エミーリアのもとに、恩師ヴィヴァルディの訃報が届く。　
一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる。

カーニバル
仮面
謎の男
ゴンドラ　　　　　
コルティジャーナ(高級娼婦)
──聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独...。

あらゆるものが溶け合ったヴェネチア。　
史実を基に、女性たちの交流と絆を豊かに紡ぎだした傑作長編。

※2012年本屋大賞 第3位を受賞。