著者の中山久四郎は、明治６年長野生まれの東洋史学者です。ドイツ留学後、東京帝大や日本大学などで講師を務める他、歴史研究会長として昭和元年に雑誌「歴史教育」を創刊しました。昭和4年は、本書を出版しています。本書が第一巻となる「東洋史講座」は、全15巻と別巻地図から構成されています。本書は、書名に「総論及史籍解題」とあることから、当時の東洋史学を概観できる貴重な内容になっています。
　本書は、ほぼ90年前に出版されているため、長年の経年劣化が函や表紙にみられます。表紙は厚紙に布引き、背表紙には皮が貼られています。本体は、経年劣化による変色がみられますが、折れ、キズ、脱落などはなく、また、書き込みもない良い状態です。