女大関として一世を風靡した若緑の幼少期から現役引退後、大相撲の土俵に上がった唯一の女性、となるまでの波乱に満ちた半生記物語「女大関若緑」。
　引退後、若緑の息子、悪ガキ次男泰次郎と母と子の物語「相撲取り母ちゃんとガキ大将」。
二冊セット。　

★女大関若緑
　　遠藤泰夫　著
平成16年❨2004❩
　朝日新聞社より出版。
平成18年度
　「日本自費出版文化賞」
　【部門賞】受賞。
定価　1,500円

あらすじ
志げのは大正6年❨1917❩山形県で生まれた。10歳のとき早朝に納豆を売ったり、町に来たサーカスで球体の中をグルグル回るオートバイの後ろ座に乗った。14歳の頃には男湯で男と相撲を取り、幼い頃から男勝りな娘だった。
女学校に通う17歳のとき、町に来た女相撲を見て感動。家出して女相撲に入門。女相撲で由緒あるしこ名「若緑」を与えられ、たった三年で大関になる。
興行女相撲はエログロナンセンスな見世物ではなく、正当な相撲を取り、力芸の披露、各地の民謡を歌い踊る、力士全員がエンターテナーだった。
日本各地はもとより、台湾、満州など、どこの興行地でも人気のある興行で、若緑は大関として一世を風靡した。
山形の宮内で、故郷に錦を飾った興行の後、戦争が勃発。興行元が一時解散の機に引退、実家に帰る。
愛媛県松山興行の時、世話になった芸者千代子に誘われ遊びがてらに松山へ行く。隣町の料理屋の女将に請われ店の手伝いをするようになる。その頃から「若さん」と呼ばれるようになる。
やがて、運命の人、保太郎と出会うが、千辛万苦を乗り越えて、女手一つで料理屋を営み三人の息子を育てる。
昭和32年❨1957❩春、高砂一門の北条巡業。
若さんと親交のあった高砂親方(第39代横綱前田山)は、勧進元❨主催者❩である若さんが土俵上で挨拶するよう提案した。
「皇后陛下でも大相撲の土俵に上がれないことは知っています」と若さんは固辞した。が高砂親方は若さんを説得。
《大相撲の土俵に上がった唯一の女性》となる。

★相撲取り母ちゃんとガキ大将
　　遠藤泰夫　著
「女大関若緑」の著者が綴る母への追憶。
著者にとって最高の「師」であった母との日々。二人を取り巻く心優しき人々の物語。

平成19年度「日本自分史大賞·優秀賞」を受賞した「師」を加筆
愛媛新聞社より出版
定価1,400円