福岡県筑後市赤坂地区にて、
江戸時代後期に有馬藩の御用窯で焼かれた
赤坂焼です。
※本作は昭和頃の作品です

福岡といえば上野焼、小石原焼など
様々なやきものが知られていますが、
赤坂焼は生産数が少なく、
あまり出逢う機会がありません。

とはいえ福岡のやきものらしい特徴があり、
•素地が赤土であること
•藁灰釉が窯変で海鼠色に変色していること
•腰部が右上がりに箆削りされていること
上記3つのポイントをおさえています。

薩摩の龍門寺焼と間違えてしまいそうですが、
薩摩は黒土のため、
素地で違いを見分けられます。

また腰部の右上がりの箆削りは、
近場の小倉藩で作られていた上野焼に
ある造形で、そこから影響を受けています。

薄造りで口が端反りしており、
キリッと鋭い口あたりになりそうです。

釉薬も鉄釉の上に黒釉、藁灰釉と
3種類をふんだんに掛けてある、
同じ赤坂焼のなかでも良品かと思います。

状態良好

高さ 4.0cm
口径 5.5cm