昭和37年4月20日発行の第２刷です。（写真４枚目）



表紙カバーが破れています。古いものなので、小口や地にヤケや汚れがあります。読み込んだ形跡はありません。状態をご確認の上、ご検討ください。



実際に書かれたのは、当時大阪女子大学講師の川端善明氏です。（写真5・6枚目参照）

このシリーズは、実際には、遠藤嘉基の弟子筋の、京都大学出身の方が書かれているようです。



内容の概要は、目次（写真７～１０枚目）をご覧ください。

古文解釈の「方法」を、当時の入試過去問を文例に、体系立てて詳しく説明した本格的な学習参考書です。



第一コースでは、「内容的意味の把握」として、文構造や省略表現、会話の文の仕組みなどが具体的な文章に即して説明されていきます。「何がどう」書かれているのかの把握です。



単語と文法だけで、古文を自力で読むことは出来ず、文章の仕組みの理解が必須となってきます。この本は、そのあたりへの言及がきちんとなされている良心的な古文入門書となっています。



第二コースでは、「表現的意味の把握」として、「なぜそう」書かれているのかが中心となります。



現代語に置き換えて、文字面をたどるだけではなく、書き手の論理や思考体系に迫ることができて、初めて古文を読んだことになるのだ、という筆者の思いが具体化された内容となっています。



「花山院の出家」（東大過去問、昭和36年）の部分を載せておきました。（写真13～16枚目）

読みの深さ・的確さ・説明の詳しさの一端が、伺えるのではないでしょうか。



第三コースは、仕上げとしての「鑑賞・批評」となっています。和歌の修辞や本歌取りの仕組みについても、詳しく説明しています。



古書であることをご理解の上、ご検討ください。書き込み、傍線などは、なかったはずです。見落としの際は、ご容赦ください。



高校生の皆さんには難しいかと思いますが、関谷浩の『古文解釈の方法』（駿台）などを読みこなす力がある生徒さんには、手ごたえのある本だと思います。



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