河盛好蔵　
『パリの憂愁　
ボードレールとその時代』　


河出書房新社　
昭和53年10月9日　初版発行
昭和54年10月1日　四版発行
465p　人名索引xix　
口絵18p（うちカラー1p）
折込「パリのボードレール地図」1葉
A5判　丸背布装上製本　貼函
定価3,800円　
装幀：渋川育由


本書「あとがき」より：

「本書は、雑誌「文藝」昭和四十七年一月号から同四十九年十二月号まで連載した拙稿に加筆訂正して、新たに付録として四篇を追加したものである。このうち「文学的ボエーム」はかつて雑誌「文學界」に「新編フランス文壇史」の一部として発表したものであるが、他の三篇は今回新しく書き加えた。
　ボードレールの生涯をパリを舞台にしてできるだけこまかく辿るのが当初の目的であったが、それが容易でない仕事であることは、書いているうちに次第に分ってきた。結局、甚だ意に満たないものになってしまったが、ボードレールの伝記としては、これまでわが国で発表されたもののなかではいちばん詳しいのではないかと思っている。」
「本書では詩人の作品については全く触れていないが、それは最初から著者の意図になかった。
　要するに本書は、私の一生の仕事にしているフランス文壇史の一部として書かれたものであって、私は本書を書きながら、絶えず第二帝政時代の社会とフランスの文壇を頭に浮べていた。」


口絵図版77点（カラー1点、モノクロ76点）。