太平洋戦争のあと、無謀な戦争へ国民を導いた者の戦争責任を追及する声が高まった。軍部や政財界だけでなく知識人・文化人も例外ではなかった。
新聞「文学時標」は敗戦の翌年1946年に創刊され、軍国主義の時流に迎合した（と見なされる）文筆家の責任を厳しく問うた。本書はその復刻版。責任を追及されたのは高村光太郎、火野葦平、吉川英治、佐藤春夫、菊池寛といった人々。告発する側は小田切秀雄、荒正人、中野重治、福田恆存といった面々。当時の時代の雰囲気を濃く伝えている。